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勿論です

《もちろん【勿論】・・・「論じる必要のないほど、はっきりしているさま。」「言うまでもなく。」という意味。》


つい先日ある時計店で印象に残る接客を受ける機会があった。
青山にあるそのお店は店内こそ大きくはないのだがとても落ち着いたシックな雰囲気のある時計店なのだ。そこで私は私と同年代の販売員の接客を受けたのである。
その方は私の沢山の質問にも一つ一つ答えてくれ、またその時計の複雑な構造について、そしてブランドの歴史やデザイナーの人柄までもとても丁寧に説明してくれた。1時間程の接客の中で私は10種類近い時計を試着させていただいたのだが、私が他の種類の時計を付けてみたいとお願いすると、彼は必ず私の目を見て「勿論です」と一言を添えてバックヤードに商品を取りにいっってくれた。
「勿論です」私自身も日常から無意識に使っていた一言なのだが、改めて客の立場で使われてみるとこれが何とも気持ちがよい一言なのだ。この言葉は「私は当然あなたの希望を受け入れますよ」「私はキチンとあなたに向き合っていますよ」といった、客としてはとても安心感や信頼感を感じさせる一言なのだなとこのとき改めて感じさせられた。結局その日は購入にまではいたらなかったのだが私の中でいつかこのブランドの時計を、このお店のあの販売の方から買いたいという気持ちになったことは間違いない。

販売の職に携わる皆さん、今日から早速この一言「勿論です!」を接客に取り入れてみてはいかがでしょう。
TEXT/M.KANESHIRO

もう一点ではなく消去法でいきましょう

弊社販売ミーティングの中でたまに若手スタッフの口から聞かれる言葉がある。「売上アップのためにあなた達はどんなことを意識して接客をしていますか?」の問いに「私たちは客単価、パック率アップを意識してもう一点付けられる接客を意識しています」という・・・。一見模範的回答のように聞こえるかもしれないが、もう少し突っ込んで聞いてみるとこの言葉は殆どの場合「私達は単品売で終わらないように頑張ってます」という意味で使われていることが多いようだ。例えばキャミソールのアプローチから入った接客に一生懸命カットソーを付けようと努力しているということ。心がけは買うのだが、これでは決してお客様に満足して頂ける接客にはならない。ではどういう接客を意識すべきかというと、当たり前のことなのだがそのキャミソールからどんなトップス、ボトムスがコーディネイトできてどんなアクセにどんなシューズ、どんなバックが可愛く合わせられ、お客様自身がこのキャミソールを中心としたコーディネイトでこんな風に可愛く変身できるんですよ!ということを、頭のてっぺんから足の先まで鏡の前でコーディネイトすることを意識した接客が大事なのです。この場合のキャミソールはお客様が変身するためのきっかけのアイテムでしかありません。もしコーディネイト販売を意識せず淡々とキャミソールだけをお売りしていたとしたら、きっとお客様はこのスタッフになんの印象を持つことも無く、再来店いただくきっかけも残さず帰られてしまうでしょう。

全身をカッコ良くコーディネイトして差し上げもちろんお客様にもお気に入りいただき、その中からきょうはご購入いただけない物を一つずつ消去していくという接客を意識しましょう。わかりやすく言うと「ほんとはキャミソールだけを買いにきたんだけどあなたが一生懸命接客してくれるからカットソーも一枚もらっていくわ。」ではなく「本当は全身買って帰りたいのだけれどきょうはキャミソールにカットソーをいただいていくわ。でもブルゾンとパンツは次回また来たときに購入するわね」と言っていただける接客をできるようになること。販売力とは提案力と接客力です。若手スタッフだけでなくベテランスタッフ達ももう一度自分の接客をチェックしてみましょう
TEXT/M.KANESHIRO

店長の憂鬱

人と人のやる仕事,必ずしも想定のとおりに進むというわけではありません。多数の店舗を管理していると大なり小なりそういった問題にいつもぶち当っています。

ある店長からサブ(副店長)との人間関係に頭を悩ませているとの相談がミーティングの場で上がりました。この店長いわくそのサブは「指示、指導や注意をすると露骨に不機嫌な表情をするのでとてもやりにくく、業務が円滑に進まないのでどうすればいいでしょうか・・・」とうったえていました。じつはこの手の問題、最近意外と多い相談なのです。数年前まではワンマン店長のやり方に下のスタッフから「店長が厳しくてついていけません。」などという泣きの相談が大半でしたが、ここしばらくそういう下スタッフからの相談は大幅に減ったように思います。もしかすると逆転しているかもしれませんね。今回のようなケースは、ある程度の経験を積んできたスタッフの場合に多く見られるようで、自分の仕事に自信を持ち始めた頃に起こりやすい傾向にあるようです。それだけスキルが上がってきていると考えれば嬉しいことなのですが、このクラスのスタッフたちはこれからまだ変化をしていってもらわなければいけませんので、気持ちを腹に押し込み不機嫌な表情で感情をぶつけているようではマダマダです、自分の言葉で店長と話し合う力を身に着けてもらわなければなりません。とはいうもの、店長の方にも少なからず問題があることも多いように思うので、下のスタッフばかりを責めても可哀想かもしれません。

私が思うにこの問題の解決方法は一つしかありません。それはお互いが冷静になっている状態で、できるだけ店や館以外の場所を使い、「あなたはどうして私に対して不機嫌な表情をするのですか?」という、この直球端的なテーマだけに的を絞り話し合いをすることです。気をつけなければいけないのは、本題について話をする前に他の問題や他のミスについてなど、相手がまた不機嫌になるような会話は絶対にしないこと。それと、使い慣れた上司言葉や命令形で話すのではなく、できる限りきれいな言葉を使って、相手とまっすぐな気持ちで話をすることです。殆どの場合この話し合いの後から、お互いよそよそしいぐらいに気を使いあい、とりあえず問題は解消されるでしょう。後は良くなったその状態を持続させる努力をお互いにすることが必要です。
TEXT/M.KANESHIRO