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丸井人材確保のため営業時間短縮

丸井が10月から営業時間の短縮を始めている、来年からは休業日も増やすようだ。昨今の大型店の流れに相反する動きをしている。理由は「良い人材の確保」、ESを意識してということのようだ。今朝の繊研に「ESなくしてCSなし」という題の特集があった。ESとは従業員満足、CSとは顧客満足のこと。スタッフが働きやすい環境を作ることで良いスタッフが育ち集まり、それによりお客様に最高のサービスが提供できるという考え方だ。まさにその通りだと思う。
今では考えられないと思うが、私が若い頃には館内に休憩室もまともに設置されず裏の非常階段に赤いドラム缶だけを置かれ、最先端のファッションを身にまとった販売スタッフ達が16時になると真っ暗な非常階段に集まり、地べたに腰を下ろし赤いドラム缶を囲み煙草を吸う、今思えばなんとも異常な中でスタッフに休憩を強いてきた館があった。もちろん当時にESなどという考え方は殆ど無かったので、メーカー販売員への待遇はとても悪いものだった。その館は現在も健在だがいまはきっと素晴しい休憩室をスタッフ達に用意してあげているだろう。

≪【繊研より】「かつては年間に44日あった定休日が、今は1日だけ。まさに激変だが、これは時代の流れでもある。競合関係を考えると自店だけ後戻りはできない」 (百貨店)。大型店は顧客の利便性の向上を揚げながら、営業日数・時間を増大させてきた。費用対効果なども試算してきたが、店舗問の競合がこの流れを加速させたことは間違いない。競合店が営業しているのに、自店だけ休むわけにはいかない、休んでいたら顧客を奪われてしまう。直接の競合が激しい地域では、費用対効果を度外視して時間延長を競うような状況もみられた。 丸井の動きは、この流れに一石を投じるものだ。同社は駅前など競合の激しい立地に店舗を構えている。競合店が営業しているのに、自店だけが休業したら顧客が流出してしまうかも知れない。この不安が最も強い立地だが、営業時間の短縮に踏み切った。想定していなかったこともあるが、丸井の動きについて大半の大型店は静観の構えだ。「平日も多くの顧客が来店している。休業日の拡大は、顧客に不便をかける」 (ファッシヨンビル)、「営業日数・時間は定着している。現段階で短縮は予定していない」 (百貨店)など、現時点で短縮を検討しているところは少ない。ただし、販売員を中心にした人材確保の面で中長期的には営業日数・時間の見直しが大きな課題になってくるとの見方は強い。「優秀な販売員を確保するためには検討せざるを得ないが、総合的な判断が必要。現段階で方向性が定まっているわけではない」「競合条件をにらみながらになるが、人材確保の問題があるので、丸井のような動きが出てくる可能性は高い」 (百貨店)などと見る。 減収に不安 取引先は、総じて丸井の動きを歓迎している。 「経費の削減効果もあるが、休暇増で販売員のモチベーションが高まり、無理なシフト勤務も改善できることが大きい」 「人材確保が厳しい状況なのでありかたい。シフトが組みやすくなるし、空いた時間は社内会議などで有効に使える」 「人材確保が目的なら理解できる。一般の生活者に近い休日を付与できるようになれば、人材を確保しやすくなる」などだ。 背景には、販売員の採用難という問題がある。人材確保が厳しくなるもとで、取引先のなかには出店計画を見直したところもある。全国に出店している専門店の経営幹部は、「まさに英断と評価したい。人材確保で打つ手は限られているのだから、時間短縮で集めるしかない」と指摘している。ただし、時間短縮による減収への不安や不満も根強い。「定休日が少し増えたぐらいでは人員は減らせない。経費の削減効果と平日の減収を比べたら、かなりの痛手」 「大型店は効率化になるだろうが、当方にそれほどのメリツトはない。定休日増による減収はつらい」などの声だ。人材確保という面では歓迎したいが、日々の売り上げや利益が消失することには耐えられない。これも率直な見方だろう。 営業日数・時間を拡大する時も、大型店と取引先との間で論議が巻き起こったが、最後は大型店が押し切った形になった。定着した営業日数・時間の見直しは、取引先にも大きな影響を与える。 中長期的に時間短縮の流れが広がるとしたら、改めて大型店と取引先の双方が意見を出し合う必要がある。顧客サービスや費用対効果、さらには人材確保などの問題を軸にした話し合いで、産業と企業の正常な発展につながる方向を探ることが重要になりそうだ。≫
TEXT/M.KANESHIRO

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